第10章 兄と妹と幼馴染み 〈月島蛍/影山飛雄〉
そして昼休み―
飛「朱鳥…。ちょっといいか?」
お昼の準備をしている私に飛雄くんから声をかけられた。
「今から蛍ちゃんとこ行くんだけど…。」
飛「すぐ終わるから。」
「…?わかった。」
そう言って私たちは教室を出た。
連れて来られたのは校舎裏。
私は壁に背をつけた。
「で、話って何?」
飛「…。」
「何黙ってるの?何か話あるんでしょ?」
すると黙っていた飛雄くんが口を開いた。
飛「……俺は…お前が……好きなんだ…!!」
「…?うん、私も好きだよ?」
ずっと一緒だった飛雄くん。嫌いになるわけない。
飛「えっ…!!?」
「だって昔から一緒に遊んでたし、飛雄くんは大好きな幼馴染みだよ?」
少し驚いている飛雄くんに笑って答えた。
だけどそういうと飛雄はため息をひとつして…。
飛「…。俺は!!…幼馴染みじゃなくて…女子としてお前が好きなんだ!!」
「………えっ//!?それってつまり…。」
飛「俺と付き合ってくれ!!」
「…ア…アハ…な、何言い出すの?面白い嘘だね…(ドンッ!!)…!!」
今まで幼馴染みとしか思っていなかった飛雄くんからの告白。冗談かと思った。けど違った。
いきなりの壁ドン。
私は思わず言葉を失う。
飛「俺は本気だ!」
「…ちょっ…待って//!!いきなり言われても答えられないよ…!!…少し考えさせて……。」
近くにある飛雄くんの顔から私は目を反らす。
飛「…わかった…。」
壁ドンから解放され私は蛍ちゃんの待つ教室に行った。そこには蛍ちゃんと山口くんが先に昼食をとっていた。
蛍「遅かったね?どうしたの?」
「…え…いや…別に…。」
山「顔赤いけど熱でもあるの?大丈夫?」
「…!ね…熱なんてないよ!大丈夫大丈夫!!」
蛍・山「「?」」
突然のことで私はテンパってしまった。