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赤「アイシテル…」貴女「助けて…!」黒「必ずボクが助けます」

第9章 記憶


貴女side
色んな記憶が私の中を駆け巡る。
幼稚園の記憶小学生の記憶中学生の記憶入学式で緊張してコケちゃった記憶。
赤司君って初めて呼んだ時の記憶。
征君を好きになった記憶。
告白をしてオッケーをもらった時の記憶。
バスケ部のマネージャーになった記憶。
みんなでお昼ご飯を食べてる記憶。
試合を応援してる記憶。

征君と初めてデートに行った記憶。
そしてー

あの記憶

殴られた痛い記憶。
無理やり性交をした記憶。
優しいキスをした記憶。
勉強を教えてもらって正解をしたらキスをした記憶。

テレビを見ていてお父さんとお母さんが事件に巻き込まれ、亡くなったと報道された記憶。
それからの記憶は曖昧であまり覚えてない。

でも、今でも鮮明に記憶に残っているのはテツヤが来てくれたこと、そして力を振り絞ってベランダのドアを開けたこと、そこからも記憶がなくて次に目が覚めたらテツヤの家の布団で寝てた。

それからお父さん達に養子のことを言われ、オッケーと返事した記憶。
この日から私にお兄ちゃんが出来た。

複雑な心境だったけど、少し嬉しかった。

それからは少しずつ回復へ学校も洛山を辞めた。身体の回復を優先したかったからだ。
回復には少し時間が掛かった。
声がなかなか出ないし、ボーっとすることも多かった。
テツヤにも沢山迷惑をかけた。
手を反射的に弾いてしまったこともあった。
その度にお辞儀をして謝ってた。
声が出ないかなこれが私の精一杯だった。

それでもテツヤはずっと居てくれた。
少しずつ声が出るようになって精神的にも回復した。
そして学校へ通うことになった。
私はテツヤと同じ“誠凛”を受験し、合格をした。そして通うことになった。



テツヤ…いつもありがとう。
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