第2章 「送る。」
「なんか、安定感というか、こう、頭良さそうな雰囲気があるからなんというか…だぁー!わかんねぇ!」
……やっぱこいつ、馬鹿だ。
「……ぷっ!」
「…?宮口?」
「いやぁ……田中って馬鹿だなぁって思って。」
「!?」
「あははっ!」
「あははじゃねぇよ!
くそーなんで俺誰にでも馬鹿って言われるんだろうな…。」
「でもさ、田中は馬鹿とか以前に良いやつだよ。
だから皆も絡みやすくて、安心しきって、甘えちゃうんだろうね。」
「…言われれば俺、今日も縁下にシーブリーズ貸してって甘えられてるわ!!」
「……やっぱ馬鹿だ。」
私、こんな馬鹿のどこが好きなのかな…。
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家に帰って、少し田中のことを考えてみた。
好きとか言いつつも、いまだに名字呼びだし、連絡先知らないし、これって友達にもなってなくない?
理沙はどうやって彼氏つくったのかな…。
私はともだちを思い浮かべた。
明日聞いてみよ…。
第2章 「送る。」(完)