• テキストサイズ

恋のお相手は兄妹!?

第4章 海常バスケ部お泊り会〜夕食準備〜


「止めた?」

「止めた」

片方だけ耳を塞ぐのをやめて尋ねてくる。

こころなしか莉緒の目は潤んでいるように見えた。

あ、これやばいかもしれない。

俺は視線を合わせないように、眉間辺りをじっと見つめる。

「映像もない?消した?」

「消した。そんでDVDも出した」

「本当に?もう大丈夫?」

「ああ、本当にもう大丈夫だ。だから耳塞ぐのやめて、俺も手伝うから夕飯作ろう」

そう言って頭を撫でてやれば、莉緒はもう片方の手を外し、膝を抱えて俺のワイシャツの袖を掴んだ。

「何でホラー映画なんかかりてきたの?」

「俺じゃなくて森山と黄瀬だ。黄瀬が見たくて、おもしろそうだから借りたんだってよ。さっき言ってただろ」

「聞いてなかった。何で止めてくれなかったの?」

「俺も知らなかったんだよ。さっきつけるのみて知った」

「私が苦手なの知ってるくせに…」

莉緒が袖を掴む手を更に強くする。

相変わらず目は潤んだままで、今までの言動からだと拗ねているようだ。

こいつ、かわいいな。


……
………

…いや、待て。

何だ今のかわいいって。

あれだよな!?妹とか、小さい子みたいな年下に抱くかわいいだよな!?

あ、でもこの前久しぶりに目が合った時、急に顔が熱くなったよな。

しかも、さっきこいつの潤んだ目を見て、俺やばいかもしれないって…。


……
………

…いやいやいやいや、待て待て待て。

相手は妹だぞ。

血はつながってなくても妹なんだぞ幸男!!

いくら俺が唯一コミュニケーションをとれる女子だからって、そんなことはないはずだ。

/ 48ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp