イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第16章 真意
「え?」
その声はサラには届かなかった。
ユーリはぎゅっとサラを抱き寄せる。
「ごめんサラ様。
俺、勘違いしちゃってたみたいだね」
「…ユーリ」
「サラ様が
あんなに顔を真っ赤にしてたから、
てっきり…
少し考えれば分かる事なのに。
俺、サラ様の事になると、
自分が自分じゃなくなるみたいだ。
本当にごめん」
ユーリはサラの肩に顔を埋める。
「ユーリ…
私、嬉しかったよ。
ユーリに、その……抱かれて…」
ユーリの胸がとくりと音を立てる。
(サラ様、本当に…優しい。
どうしてこんなに真っ新なんだろう)
サラはユーリの背中に手を回し抱き締め返す。
「私こそごめんなさい。
ユーリがどんな想いでいたかなんて
全然知らなくて…。
辛い思いをさせてしまって…」
(もう一度、ユーリにちゃんと伝えたい)
サラはユーリの瞳を覗き込んで、
はっきりと言葉を紡ぐ。
「ユーリ。
私、ユーリの事…」
しかし
ユーリが人差し指をサラの唇に押し当てて
言葉を遮った。