イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第16章 真意
「えっ?……マッサージっ?」
(何、その冗談みたいな理由…)
腕枕をしながらサラの髪を撫でていた
ユーリの手がぴたりと止まる。
「うん…///」
サラは恥ずかしそうに俯いた。
情事を終えた二人は
ベッドに横になり
言葉を交わしていた。
先ほどユーリが見た
“サラがゼノに跨っていた光景”
について
サラの口から出た
意外すぎる釈明。
ゼノに呼ばれて部屋に行った事。
本当は部屋に行って、
婚姻を断るつもりだった事。
突然、マッサージを命じられた事。
サラはぽつりぽつりと、恥ずかし気に話す。
サラの言葉を聞き終えたユーリは
ベッドの上に起き上がると
しばらくじっと考える…。
「サラ様、何時頃からマッサージしてたの?」
「部屋へ行って、すぐだったから…8時ごろかな?」
(……アルが俺の所に来た時間だ)
「あ、それと、
ゼノ様が、ユーリに伝えてって」
「ゼノ様が?」
サラも身体を起こして、ユーリに告げる。
「『もう十分だ』……って」
ユーリは目を見開いた。
その言葉で、すべて分かってしまった。
どくどくと、全身脈打つのが分かる。
色々な感情がユーリの胸に渦を巻いた。
固まってしまっているユーリを
心配そうに見つめるサラ。
「……ユーリ?……どうしたの?大丈夫?」
ユーリは睫を伏せ、
ふっと自嘲気味に笑うと
(俺、嫉妬に駆られて、
なんて子供染みた事をしてしまったんだろう。
ゼノ様はすべて分かった上で…
そういう方だと知っていたはずなのに)
「俺、ゼノ様に嵌められちゃったみたい」
ぽそりと呟いた。