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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第16章 真意


「ありがとうサラ様。
でも、その先は…
言わないで?」


「え?」


「俺、今、多分すごく混乱してる。
今、その先を聞いたら
もしかしたら、サラ様の人生さえ
滅茶苦茶にしちゃうかもしれない」


ユーリの瞳の奥が揺れる。


「わがままだって思うけど……
俺に一日だけ時間をくれないかな?
もう一度ちゃんと…
ちゃんと考えたいんだ」


想いは通じ合ったと思ったのに…。
サラの胸に不安が広がる。


「それに、サラ様もちゃんと考えて欲しい。
本当にその言葉を言ってもいいのか…
それで、後悔しないのか。
ゼノ様は素晴らしい方だよ。
決意してウィスタリアを出てきたんでしょう?」


そうだ。
自分は自分だけのものではない。
プリンセスとして、どうあるべきか…。
当然考えなければいけない事だった。


ここにきて
本当の意味で案じてくれているユーリ。


(ああ、この人は
本当にちゃんと
私を想ってくれてるんだ)


サラは胸の奥が暖かくなるのを感じた。


ユーリはしっかりと瞳を捕えて言う。


「明日の夜、逢いに行くよ。
全部ちゃんと決めてから。
もしその時、
サラ様の気持ちが変わってなかったら………
さっきの続き、教えて?」


サラは視線を交わしながら
ゆっくりと頷いた。


それを見届けると
ユーリが少し冗談っぽく言う。


「こんな事しちゃった俺が
言えることじゃないんだけどね」


その顔は困ったように、笑っている。


サラは、複雑な感情を隠す様に
微かに笑みを浮かべ
ユーリを見詰めた。


さっきまであんなに求め合っていたのに
互いの身体はいつの間にか
少し離れていて
夜の冷たい空気が
二人の距離を
改めて感じさせていた…。


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