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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第10章 月光 ※R18


ユーリは戸惑っていた。


自分の中に
こんなにも抗えない感情があるなんて。
思ってもみなかった。


自分はサラの元を去る身


気持ちを口にすれば
きっとそれは
嘘になる


サラには
嘘はつきたくなかった


ユーリは
言葉を発することが出来ず


ただひたすら
持て余した感情に戸惑うばかり。


そもそも
抱くなんて許されない


この行為をやめてしまえば良いのたが


それだけは
到底出来そうもない。


大事にしたいのに
傷付けたくないのに


サラが欲しい。


ああ、心と体がバラバラだ。


好きだよ
大好きだ。


このまま
いつまでも
腕の中に閉じ込めていたい。


『大好きだよ』


口に出来ればどんなに楽か


ああ、サラ様、サラ様


今夜だけは俺を見て
今夜だけは俺に全部、頂戴……?


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