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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第1章 恋心


「素敵!」


試着を終えたサラは、
ぱっと花のような笑顔をみせる。
鏡の前でくるりと一回転して、
子供のようにはしゃいだ。


(ホント、サラ様は素直だなぁ)


ユーリはくすりと笑って、
鏡に映りこむように
サラの後ろに立つと


「とっても似合ってるよ、サラ様」


そう言いながら、
サラの長い髪をうなじからそっと持ち上げ、
お揃いのカラーのネックレスをつける。


ユーリの綺麗な指先が、
首筋を掠める。


ぴくっと肩を震わせつつ、


「ありがとうユーリ!
こんなに素敵なドレスを選んでくれるなんて、
ユーリってなんでも出来ちゃうんだね!」


サラは少し興奮気味に、
ユーリに尊敬の眼差しを向ける。


「違うよ」

「えっ?」

「サラ様だからだよ」

「??」


ユーリはくすりと笑いながら、
サラの肩に後ろからそっと両手を添える。


「だってサラ様を一番見てるのは俺でしょ?」


琥珀色の大きな瞳が、
鏡越しにサラを優しく見つめている。


「…っ…」


サラの鼓動が小さく跳ね、
恥ずかしそうに視線をそらした。


ユーリはサラの様子に小さく目を見開いた。


「……そんな顔しちゃダメだよ」

「えっ?」

「こんなに可愛いドレスを着て、
そんなに可愛い反応されたら…」

「ユーリ?」

「……」


(ユーリどうしたんだろう?
いつになく真剣な表情)


肩に添えられていたユーリの手が
サラの腕を伝い、
腰に回される。
そのまま後ろからサラを抱きすくめた。


「もっと自分の魅力、自覚してよサラ様。
心配になっちゃう」


肩口にぽすっと顔を埋めてそっとつぶやいた。


「こんなの我慢できないよ、俺」

「えっ?」


くぐもった言葉はサラにははっきり伝わらない。


ユーリの柔らかい髪が、
サラの肩口で揺れる。


熱の籠った吐息を吐き、
腰に回した腕を強めサラを引き寄せると、
ユーリはその華奢な首筋に、
唇を押し当てようとした。


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