イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第1章 恋心
ユーリが去ると、
サラは頬を染めて呆然と佇む。
(びっくりした。励ましてくれたのかな?)
キスを落とされた所に手を当てると、
そこがジンジンと熱を持っているようだった。
(あんな風に触れられると
どきどきしちゃうよ…。)
サラがプリンセスに選ばれて数か月、
毎日あんな風に触れられるとはいえ、
なかなか慣れない。
(ユーリはなんとも思っていないんだろうけど)
いつも明るく自分を支えてくれるユーリ。
その笑顔に、優しい言葉や仕草に、
心惹かれている事を、
サラはまだ伝えられずにいた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お待たせプリンセス」
「きゃっ!!」
不意に、背後から声をかけられ
振り返ったサラは,
バランスを崩し、倒れそうになる。
「わっ…」
倒れそうになるサラの腰を
華奢な腕にしっかり抱きとめられると
息が触れるほど近くにその腕の主の顔がある。
「ユ、ユーリ。」
広いクローゼットを
あっという間に一周したらしいユーリ。
サラは更に顔を赤くして俯き、
まつ毛を震わせる。
(ユーリ、ち、近いよっ)
抱きすくめられるような形になり、
見た目より頼もしいユーリの腕や胸板に
どきどきしてしまう。
「ごめんね、びっくりさせちゃった?」
ユーリの目が悪戯っぽく細められる。
「ううん、大丈夫。ありがと…」
言いながら体を離そうとすると、
ユーリの手に
シャーベットグリーンのドレスが
携えられているのに気付く。
「これ…」
「うん、俺がえらんだんだ。着てみて?」
ユーリはにっこり微笑むと、
腰に回した手をそのままに、
サラを試着室に促した。