イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第8章 円舞
一頻り踊ったあと
まだ手を取り合ったまま
頬を高揚させたサラが
目を輝かせて言う。
「ユーリ!びっくりした!
こんなに上手に踊れるなんて!
どこで習ったの?」
「んー…秘密」
ユーリはサラから目を逸らし
軽い声で言った。
「えー、どうして?」
ぴょんぴょん跳ねながら
子犬のように纏わりついて聞くサラ。
どうやら興奮しているらしい。
「……秘密だから」
ユーリは更に顔を背ける。
「じゃあどうして踊れないって言ったの?
こんなに上手なのに」
サラがきらきらした表情で首を傾げて
ユーリの顔を覗き込むと
髪がふわりと香った。
(ああもうっ、
どうしてサラ様は
こんなにも可愛いんだろう…)
と突然
ユーリは繋いだままのサラの手を引いて
先ほどのカウチソファーに座らせると
サラの顔を囲うように
両手を背もたれに付き
顔を近づけた。