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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第8章 円舞


少し驚いた表情で
ユーリを見上げるサラ。


「俺言ったよね?
どうなっても知らないよって」


ユーリはにっこり笑って首を傾げ
サラを見据えた。


「こんな夜遅くに
二人っきりで
こんなことして…
危ないとか思わない?」


突然縮んだ距離に
サラは戸惑いながら答える。


「えっ、だってユーリは…」


ユーリは少し目を見開き
その言葉を遮るように
サラの首筋に
唇でぱくっと甘く噛付いた。


「......っ........」


サラは言葉を詰まらせ
一気に頬を紅潮させる。


(ただの執事だから?
聞きたくないよ、そんな言葉)


そして吐息を吹きかけるように告げる。


「俺も男なんだよ、
サラ様」


サラは身体が固まったように動かなくなり
どくどくと全身が脈打つのを感じた。
それがユーリに聞こえてしまいそうで
更に顔が火照る。


ユーリの柔らかな髪が
サラの耳を擽る。
広いダンスホールに静寂が満ちた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


しばらくしてユーリは
サラをぱっと離して


「冗談だよ」


明るい声を響かせ
悪戯っぽく笑った。


「か、からかわないでユーリっ///」


サラの顔は火照ったまま。


「ごめんねサラ様。
でもちゃんと言っておかなきゃって」


ユーリはくすりと笑うと


「さ、もう部屋に帰って休もう?
送るよ」


ティーセットを片付けながら
サラを促した。


「……うん……」



二人は他愛のない話をしながら、
ダンスホールを後にした。


「ねえサラ様、
明日のドレス、
また俺が選んであげようか?」


「本当?
嬉しいっ」


サラの顔に
またぱっと花のような笑顔が咲く。
二人は笑いあい
いつも通りの幸せな時間が過ぎていく。


部屋へと続く廊下を進みながら
ユーリは決めた。


明日、
サラが無事、
ダンスパーティを乗り切れたら
ウィスタリアを出よう
と。


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