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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第8章 円舞


「……俺、踊れないよ」


困った顔でユーリが答える。


「いいの、組んでくれるだけでいいから。
明日、ちゃんと踊れるようにしたいの。
お願い、ユーリ」


懇願するように、ユーリの顔を覗きこんんだ。


ユーリはしばらく黙って考え込む。
(うーん、理性…もつかな?)


「ね?一回だけ」

サラはすっと立ち上がり、
いつもの花のような笑顔を咲かせて
ユーリの手を取って引いた。


久しぶりのサラの感触に
ユーリの胸がどきりと跳ねる。


(どうしたんだろう?
こんなに積極的なサラ様初めてだ。
そんなに明日不安なの?)


ユーリは軽く息を吐いて


「どうなっても知らないよ?」


サラの手に魅入られるように立ち上がった。


「わぁっ!ありがとうユーリ!」


ユーリが立ち上がってくれて
サラの表情は綻ぶ。


(よかった。がんばらなくちゃ…)


サラは
そう思いかけて、はたと気づく。


(あれ?
ダンスの練習に付き合ってもらうってことは……
私、凄い事頼んじゃったかもっ///)


サラはサラで
あの日以来、
一人悶々と考えていた。


(ユーリ、あの日から私に触れなくなった。
これまでなら
事ある毎に
手に触れたり
頬に触れたり
額を合わせたり
していたのに。
嫌われちゃったのかな?
そりゃそうだよね。
あんな恥ずかしい姿見せて…
ユーリは執事として
私を助けてくれただけなのに…)


(ユーリに少しでも触れたくて
強引に手を掴んでしまったけど…
嫌だっただろうな。
でも
これまでなんとか耐えてきたけど
もう抑えきれないほど
ユーリを求めている自分がいる…。
私って
こんなにもユーリに触れてほしいと
思っていたんだって
触れられなくなって初めて気づいた)


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