イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第8章 円舞
「ありがとう、サラ様」
ユーリはにっこり笑って
サラの隣に腰を下ろした。
「私こそありがとう。
ユーリ、他のお仕事もあるのに
いつも私についていてくれて。
本当に感謝してるよ」
サラもにっこり微笑むと
ティーカップに口をつけた。
「いい香り」
「ローズマリー。
疲れが取れるし、ぐっすり眠れるんだよ。
明日、がんばってね。」
「うん、ありがとう。
ねえユーリ、
明日は何人くらいの方が来られるのかな?」
サラが少し口を尖らせながら聞くと
いつもみたいにくすくす笑う声が聞こえて。
「サラ様、眉毛がハの字だよ?
心配?」
「うん……
緊張しちゃって
だってすごく見られるんだもの…」
「プリンセスだからね。
大丈夫だよ。
こんなに頑張ってるんだから」
「だって、みんな支えてくれているから。
がんばらなくちゃ」
ユーリがふっと目を細める。
「そうだユーリ!
ダンスの練習、1回だけ付き合ってくれない?」
急な提案に
ユーリは琥珀色の瞳をぱちぱちさせる。
「えっ?俺?」
「うん。
一人だとどうしても感覚が掴み辛くて」
「…………」
(困ったな……)