イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第6章 接吻 ※R18
小さな声で遠慮がちに囁く。
「感触が……身体に感触が残って…
気持ち悪いの…
どうしたら
消えてくれるのかな?
ユーリ…」
その言葉に
ユーリの胸は搔き乱され
またどす黒い感情が渦を巻きそうになる。
しかし
サラの助けを乞うような
不安に揺れる眼差し。
怯え震える小さな身体。
どす黒い感情よりも
愛しいサラを
この忌々しい呪縛から
一刻も早く救ってやりたい。
そんな優しい感情が
ユーリを満たしていく。
今
自分がしてやれることは?
このままそっとしておけば
時間が解決してくれるのか?
ユーリはしばらく考えた後
意を決したように
不意に立ち上がった。
ふわっと髪を揺らすと
サラを軽々と抱き上げた。
サラの艶やかな髪が
甘く甘く馨る。
「えっ?
ユ、ユーリっ…?」
ユーリは
そのまま黙って
サラを運び
壊れ物を扱うように
そっとベッドに座らせた。
そしてサラの華奢な手を取り
その甲に
恭しく口づける。
それはまるで
騎士がプリンセスに忠誠を誓う儀式のようで。
サラは
その美しい仕草に目を奪われた。
視線を上げたユーリがサラをとらえ
2人の視線が絡まる。
とくとくと高鳴るサラの鼓動。
短い沈黙が落ちたあと
「俺が
消してあげる」
ユーリはそう言って
サラを抱きすくめ
そのまま
優しくベッドに押し倒した。