イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第6章 接吻 ※R18
カタリ……
夜中
小さな物音に
ユーリは目を覚ました。
湯浴みを終えてから
眠る段になって
サラが一緒にいてほしいと言うので
ユーリはサラと同じ部屋のソファーで眠っていた。
(なんだろう?)
ユーリは被っていた毛布を剥がし
少し体を起こして
音のしたほうを見た。
そこには
月明かりに照らされて
窓辺の椅子に腰掛けるサラの姿があった。
自分の腕で身体を抱きしめ、
身体を小刻みに震わせているようだった。
「眠れないの?」
ユーリは起き上がりながら
心配そうに尋ねた。
「あっ、ごめんね
起こしちゃった?」
サラは
なるべくいつも通りにと
口元にほんの少し笑みを湛える。
心配させまいとする
サラの優しさが痛々しい。
「無理しないで」
ユーリはそう言って
サラの傍へ寄り
顔を覗き込むようにしゃがんだ。
「ごめんねユーリ
心配かけてばっかりだね
月が綺麗だから眺めていただけ。
大丈夫だから
もう眠って?」
サラはユーリを気遣うように
微笑んでみせた。
(俺の事なんて良いのに…)
こんな時まで自分を思いやってくれるサラに
言い知れぬ愛しさが募る。
ユーリは
いつものように
サラの額に
自分の額を
こつんと合わせる。
「震えてる」
「なんでもないの
大丈夫だから」
「サラ様
俺には、遠慮しないで。
思ってる事
言っていいんだよ?」
間近で
ユーリの琥珀色の瞳が
心配そうにサラを伺っている。
(ああ…ユーリは私の事、
分かってくれてるんだ)
優しい囁きに
慈しむような深い眼差しに
サラは陥落した。