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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第5章 告白


心配をかけまいと必死で耐えていた
サラの思いが
堰を切って溢れ出す。


「…っ………
ユーリっ…私…
侯爵様に……
怖くて……
…やめて…くれなくて…」


普段
どんなに辛い公務でも
泣き言を言わないサラが見せた心の内。



「うん、もういいから
分かってるから
黙って」


ユーリは優しく言う。


「違うの…
…私…身体が…
…反応…してしまって」


(えっ…?)


その言葉にユーリは
小さく目を見開いた。


どくんと心臓がなり、早鐘を打ち始める。
嫌な予感しかしない。
続けようとするサラの告白は
きっと聞きたくないものだろう。
しかしユーリは
その先を
聞かずにはいられなかった。


サラは
こんな事、
ユーリに聞いてほしくないし
言うべきではない事も分かっていた。
しかし
今日起こった出来事に
あまりにも傷つき、
困惑し
醜い自分を
誰かに懺悔しなければ
気が済まないほどに
追詰められていた。


涙を零しながらサラは語り続ける。


「……厭らしいって侯爵様が………
私…初めて…だったのに、
……いやだったのに…………
い…イッて…しまって…」


消え入りそうな告白


ユーリに胸を抉るような衝撃が走った。
湧き上がる強烈な嫉妬心。
どす黒い感情が渦を巻く。


身体だけでなく、心まで穢そうとするなんて。


他の男に
自分の知らない
愛しい人の姿を
見られ
触れられ……


サラは恍惚の表情で
あの男を受け入れたのだろうか。
そして
求めたのだろうか。


嫌でたまらない。
頭がおかしくなりそうだ。
独占欲のようなものにかられ
今すぐこの場で
サラを
めちゃくちゃに抱いてしまいたい。
そんな感情に支配されそうだった。



サラの顔を横目で見ると
子供のように泣きじゃっていた。


(あ………)


その表情に
ほんの少し我に返ったユーリは
理性を総動員させて
なんとかその想いを抑えた。


その瞬間


「ユーリに抱きしめてもらう資格…ない
汚いの………私」


泣きじゃくるサラが
自分を責めるように
ぽつりと零した。


ユーリはサラに悟られないよう
小さく深呼吸し
サラの頬にそっと片方の掌を添え
上向かせる。


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