イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第5章 告白
「サラ様、俺を見て」
濡れた髪を額に貼り付かせ
湯気の熱気でほんのりとピンク色に染まった
可愛らしい頬と
さくらんぼの様な唇。
大粒の涙を流す、潤んだ瞳。
この人は
何故
これほどまでに愛らしいのだろう。
再び沸き起こりそうになる
どす黒い感情に支配される前に
ユーリは口を開いた。
「サラ様は今も綺麗だよ
この髪も
この頬も
瞳も
唇も
首筋も
この身体全部
どこ一つ取ったって
綺麗じゃないところなんてないよ」
ユーリはすべてを包み込むような笑顔を見せると
そのままもう一度、抱き締めて
そっと頭を撫でてやった。
すると
やっと安心したのか、
サラの強張りが
溶けたのが分かった。
「ユーリ…ユーリぃっ」
「サラ様…」
サラが落ち着くまで、
ユーリは黙って
サラの頭をなで続けた。