イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第1章 恋心
「本日のお相手の侯爵は、
プリンセス制度をあまり快く思っていません。
おおかた、突然招く事で、
準備もままならないサラ様が
どのような対応をするのか
………品定めといったところでしょう」
朝食の席でジルは、
急遽決まった晩餐会のことを話していた。
ジルの言葉にサラは眉を顰める。
(品定めだなんて…なんだか嫌だな)
サラの様子に気付いたジルが、
微笑みながら続ける。
「プリンセス制度に反対する貴族は少なからず居ます。
だからこそ、
今晩の晩餐会では
あなたの真価が問われるのです」
「真価…ですか?」
「プリンセスの名に恥じぬよう努めてください。
突然の招待にも動じず、
プリンセスとして毅然とした態度で臨めば、
侯爵も一目置くことでしょう。
お若くて優秀な方ですので、
国王候補としてお考え頂いてもかまいません。
決して、そのようなお顔をなさらいよう。」
眉を顰めていたサラははっとして、
淡く微笑み
「…分かりました。精一杯努めます」
そっと手を握り締めた。
「それから…」
ジルは続ける
「今晩のドレスは
サラ様ご自身で選んでください」
「えっ?」
サラは目を瞬かせた。
公務のドレスは、
普段ジルかレオが選んでくれていたのだ。
「申し訳ないのですが、私もレオも、
急な公務で手が離せないのです」
そんなに大事な晩餐会に着るドレスなんて
自信がない、
そう言いかけたサラに
「プリンセスが選ぶドレス、
期待していますよ」
と、ジルは有無を言わせぬ笑顔で告げて、
その場を後にした。