イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第1章 恋心
「んー…なにか違う…」
鏡の前でそう呟いたサラは、
パステルイエローのシフォンドレスを纏う
自身を見ながら、首を傾げる。
(さっきからずっとこの調子。
あんまり時間ないんだけどなぁ)
窓際の壁に背中をもたれかけながら
くすりと笑うユーリは、
愛おしそうに眼を細めた。
何着もの美しいドレスが並ぶウォークインクローゼットには、
まばゆい木漏れ日が差し込み、
2人を包んでいた。
普段なら、
何人かのメイドが
サラの着替えを手伝う為控えているのだが、
この日、この部屋には
サラとユーリの2人きりだった。
今朝、突然決まった晩餐会。
相手の侯爵は国境近くの領土の為、
昼過ぎには城を出なければ間に合わない。
にも関わらず、
サラがドレス選びに時間をかけているのには
理由があった。