イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第32章 【禁断の果実】~第9章 秘する~
…………。
…………。
(寒い……
ここはどこだろう…
暗い………
俺は……?)
と、ユーリは
自分を包んでいる、優しい温もりに気付く。
(なんだろう……この温もり
知ってる……)
「サラ……様?」
小さく呼びかけると
『……なに?』
愛しい声が返ってきた。
(ああ……やっぱりそうだ……
誰よりも大切な
俺の、愛しい人)
ユーリは小さな身体に覆いかぶさると、
その温もりをぎゅっ抱きしめた。
(でも、変だな。
サラは俺を嫌いなはずなのに)
『ユーリ』
遠慮がちに名前を呼ぶ声は
甘くて、優しい。
サラは、
こんな声でユーリを呼ばない。
(……夢?
………………いいや、なんでも。
会いたかった。
……好き。
……好きだよ)
ユーリは堪らなくなって、
溢れて止まない愛しさに任せて
サラに口づけを落とした。