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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第32章 【禁断の果実】~第9章 秘する~


意識が朦朧とする。


斬られた所から血が流れて、
体温が下がっているのかもしれない。


やがてユーリは山小屋を見つけ、中に入った。
猟師か何かが、たまに使っているのか
幸運にも、ある程度の設備がある。


ユーリは急いで暖炉に火を熾すと、
ずぶ濡れになったサラの服を脱がせた。


(……あ……きれいだ……)


暖炉の炎に揺らめく、
サラの白くしなやかな身体は
穢れの無い天使のように見えて。


ユーリはとても大切そうに、
そっとドレスを脱がせると
サラの身体を、1枚しかない毛布で包んだ。


「ごめんねサラ様。怖い思いをさせて…
本当にごめん。
俺のせいで……」


水で貼り付き、乱れたサラの髪を、
長い指先で慈しむように整えながら、
ユーリは申し訳なさでいっぱいになる。


やがて、髪を整え終えると、
愛しい額に、そっとキスを贈った。


「…………俺が許されるのは……ここまで。
サラ様は
もう、他の男の人の、ものだから……」


ユーリは、
名残惜しそうにサラから離れた。


(これ以上近くに居たら…俺は
きっとサラ様に触れてしまう…)


扉の近くに腰を下ろす。
何が起きても瞬時に対応できるように。


風が強くなってきて、雨が窓を叩く。


小屋が軋む音を聞きながら、
ユーリは
眠るサラから、
目を逸らせずにいた。


いつまでも


いつまでも……




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