イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第32章 【禁断の果実】~第9章 秘する~
心がズタズタに切り裂かれたように痛む。
「王子、ウィスタリアのプリンセスは
いかがいたしましょう」
「……放っておけ。
こんな場所、ウィスタリアの馬鹿な騎士団に
見付けられるわけがない。
いずれ、のたれ死ぬ」
(一旦、サラ様から全員を引き離して、
隙を見て、助ける)
ユーリが、そう企てた瞬間
『殺せ』
小さく聞こえた。
(……!!
こいつら!!)
ざわり……
怒りで身の毛がよだつ。
後先考えず、
ユーリは全力で、
サラの元に駆け寄った。
向けられた切っ先が、
あと少しでサラを貫く。
(間に合わないっ)
ユーリは、咄嗟に腕を伸ばした。
そして
ザシュ…
間一髪。
切先からサラを護った。