イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第32章 【禁断の果実】~第9章 秘する~
時折、応戦しながら、
山の中へ進んで行く。
(まずい、このままじゃ…)
そう思うのに、追い詰められていく。
そしてとうとう、取り囲まれ
崖の淵に追い詰められた。
ユーリは、顔を見られまいと
マントのフードを深く被る。
が。
「やはり、生きておられたのですね、王子。
ずっと探しておりました。
やっと、お会いすることが出来た…」
ウィスタリア騎士団の軍服を隠れ蓑にしていたというのに、
白髪の男は、姿だけで、ユーリだと察した。
(……
バレたか…)
長い時間をかけて、死んだものと思わせていたのに、
全て水の泡。
でも、今はそんなこと、どうでもいい。
「サラを護る」それ以上に大切な事など
ユーリにはないのだから。
(どうする…
この状況じゃ、サラ様を逃がすことは出来ない…)
追っ手の数を確認しながら
ユーリは冷静に考えていく。
「もう演技は必要ありません。
ここまで来れば、ウィスタリアの者に
見られる事もない…
さあ、我々と参りましょう。
ウィスタリアとシュタインを、
貴方様の手中に」
(数が多すぎる。
一芝居、打つか)
ユーリは、ゆっくりと
サラの方へ振り返った。