イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第31章 【禁断の果実】~第8章 秘める~
どのくらいの時間、そうしていただろう。
暫く黙っていたユーリが、
また言葉を零した。
「サラ様……」
『…なに?』
サラが、優しく返事をした時。
視界がくるんと反転して。
気付くとサラは、毛布の中で
ユーリに組み敷かれていた。
『ユーリ…?』
サラは小さく呼び掛ける。
ユーリは、うっすらと目を開けると、
瞳を潤ませながら、ゆっくりと顔を近づけて…
[え……っ]
サラの唇に自分の唇を重ねた。
未だ冷たい唇。
[っ……キス……されてる?]
驚きに目を見開いていると
ユーリは角度を変えながら、
ゆっくりと、舌を差し入れて。
『んっ………』
[ちょっと待って、ユーリ…っ]
まるで、熱を欲するように、
キスを深めるユーリ。
『ん……はぁ、ユー……やめ……んっ…』
サラは、はっとして肩を押すけれど、
ユーリは離してくれない。
強引でありながら、慈しむようなキス。
[どうして…こんなに優しいキス……っ]
やがて、名残惜しそうに唇を離すと、
ユーリは、首筋から、鎖骨へと、
唇を滑らせた。
『ユーリ、
待って、ユーリっ』
サラは慌てて呼びかける。
が、
ユーリは熱く息を吐きながら
キスを落とすだけ。
[ユーリ、もしかして、意識が……]
見ると、
ユーリの瞳は薄ら潤んで、
視点が彷徨っていて
意識がはっきりしていないのは、あきらかだった。