イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第31章 【禁断の果実】~第8章 秘める~
ユーリの大きな手が、
サラの素肌をまさぐり始める。
「っ……」
触れる指先は冷たいのに、
今までにされた、どの行為よりも優しくて。
壊れ物に触れるような指先。
それでいて、狂おしいほど求めるような荒い吐息。
サラは、抵抗しようとする。
けれど、華奢に見えても、
ユーリは男。
しなやかだが筋肉質な肢体で軽く押さえつけられるだけで
簡単に動きを封じられてしまう。
「サラ様………サラ様……」
時折聞こえる、低い声。
まるで、恋人を呼ぶそれのように、
愛しさが入り交じっている様に聞こえて。
[やめて……
そんな風に呼ばれたら、勘違いしそうになる…]
“愛されている”
そう錯覚してしまいそうで、怖い。
さっきまでの言葉とは裏腹な
優し過ぎるユーリの愛撫。
[ユーリは私を嫌い…
なのに……]
もどかしく
焦がれる感覚に
サラは溺れていく。
ユーリの優しい愛撫は
全身に広がって。
サラの胸が壊れそうなほど苦しくなって。
[どうしよう。
こんな風に大切にされたら、私…
これ以上、自分の気持をごまかせなくなる…
隠しきれなくなる
お願い、やめて……
思い知ってしまう……
私は、やっぱり……
ユーリが……
好きだという事を……]
サラは、ついに、抵抗出来なくなった。
【禁断の果実】
~第8章 秘める~
End
2016年7月22日