イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第31章 【禁断の果実】~第8章 秘める~
と、
ぱしん。
ユーリは
力なく、サラの手を払う。
「……触らないで…くれる?」
その琥珀の瞳には、
以前と同じ、軽蔑の色が浮かんでいた。
『っ……』
でも、引くわけにはいかない。
助けてくれたユーリを
今度は自分が助ける番。
『ユーリ、
濡れた服のままじゃ、体温が下がって…』
「サラ様に…触られ…る、くらいなら
死んだ方が…マシ…」
言いながらもユーリは、
はあはあと息を吐いて、
今にも意識が途切れそうだ。
サラは悲しそうに眉を下げる。
『……ごめんなさい。
嫌かもしれないけど……
こんなユーリ、放っておけない』
[後で、怒っても、罵っても
なんでもいいから…]
サラはユーリの言葉を無視して、
ボタンを外す。
嫌そうに眉を顰めながらも、
ぐったりとして動かないユーリ。
水を吸って、ぴったりと身体に纏わりつく、重い衣類。
懸命になって、全て取り払うと
左腕に乱雑に巻かれた、ハンカチが覗いた。
そこは
サラを庇って斬られた場所。
[……っ……]
ハンカチは、少し赤く染まっている。
サラは、胸が締め付けられる思いで
ユーリの身体を抱きしめ……
1つしかない毛布に、
自分の身体と
ユーリの身体とを
一緒に包んだ。