イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第30章 【禁断の果実】~第7章 堕ちる~
『…………嘘…』
サラが目を見開くと
ユーリが、事も無げに告げた。
「嘘?この状況で嘘って思えるなんて。
サラ様は本当におめでたいね。」
『っ……
でも……だって…
ユーリは、執事で…
いつもきちんと仕事をこなして…』
「そんなの、怪しまれない為の
お芝居に決まってるじゃん。
現に俺はウィスタリアから姿を消した。
計画が上手くいくよう、陽動するために。」
『っ……でも
今だって、こうして私を助けて……』
その言葉に
ユーリは、氷のように冷たく笑って。
「助ける?
誰がそう言ったの?
気付かなかった?
さっき俺が倒した人たち、
誰一人、殺してない。」
言われてみれば、みな、地面に這いつくばり、
呻いていただけだった。
でもそれは、ユーリが優しい人だからであって…
「サラ様を連れて来てあげたんだよ、ここまで。
事が上手く運ぶように。」
ユーリがそう言うと
追っ手たちが、サラを囲んだ。