イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第30章 【禁断の果実】~第7章 堕ちる~
[潜伏?]
『ユーリ、この人たちを…知っているの?』
サラが思わず口を開くと
白髪の男が厳しい口調で告げた。
「ユーリ様は我らが指導者。
やがて、ウィスタリアとシュタインの王となられるお方だ。
ウィスタリアのプリンセス風情が
軽々しくお名前を呼ぶな」
『何を…言っているの?』
ユーリが王子で、
ウィスタリアとシュタインを手中に収めようとしている輩の指導者?
そんな馬鹿げたこと、あるはずがない。
「王子、約束を果たして下さってありがとうございます。
もう演技は必要ありません。
ここまで来れば、ウィスタリアの者に
見られる事もない…
さあ、我々と参りましょう。
ウィスタリアとシュタインを、
貴方様の手中に」
ユーリは、追っ手をゆっくり見渡し
そして
追っ手に向けていた剣を収めた。
[え……]
『ユーリ…?』
ユーリがゆっくりと振り返る。
そして、この状況に不自然なほど
落ち着いた声で言った。
「……そうだよ。
俺は、シュタインの第二王子。
ウィスタリアを手に入れる為に
スパイとして城に入ったんだ」