イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第30章 【禁断の果実】~第7章 堕ちる~
『ユー……リ…?どうして…』
ユーリは、すっとサラに近づくと
そっと手を取った。
「……走れる?」
『え、うん』
気付くと、
後ろから複数の足音が近づいて来ていて。
「こっち」
ユーリはサラの手を引いて
追っ手から逃れるように走り出した。
驚きに目を丸くするサラの手を、
ユーリの少し冷たい、
しかし、力強い手が引いて行く。
[ユーリ、どうして、ここに?
それに、どうして、ウィスタリアの軍服を?]
わけも分からず、
ユーリに引かれて逃げる。
が、ヒールでの山道は走りづらく、
直ぐに追っ手に追い付かれてしまう。
ユーリは、
サラの背中を、とん、と突き放すと
追っ手に立ちはだかるように
剣を構えた。