イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第29章 【禁断の果実】~第6章 瞑る~
『っ……やっ……』
突然縮まった距離に、
サラの心臓が不規則に音を立て
身体が強張る。
サラの手からティーカップが滑り落ちて
ころん、と絨毯の上に転がり
シミを作った。
『離してっ』
抵抗しようと、力を込めるけれど
ユーリの腕はびくともしない。
ユーリの琥珀に輝く美しい瞳が
黒い影を落としたように澱んでいる。
[普通じゃない…っ]
ぞくりとするサラ。
『ユーリっ』
名を呼んでもユーリは答えず、
サラの夜着の胸元のリボンを、
歯でクッと噛んで、解いた。
サラの白くて滑らかな胸元が露わになる。
『いやっ』
「黙って…」
ユーリはサラの言葉を封じるように
唇に噛付いた。
『んんっ……んはっ……』
強引に舌をねじ込み
貪るようにキスを深める。
[苦し……息が…]
やがて、サラの身体から力が抜けていくと
『んは……はあ…はあ……』
ユーリはやっと唇を離し、
サラの胸元に顔を埋めた。