イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第29章 【禁断の果実】~第6章 瞑る~
==================
中庭から部屋へ戻ったサラは、
ソファーに座って、紅茶を飲む。
[……今日も、美味しい。]
ユーリの淹れてくれた紅茶は
いつも通り、完璧で
優しくサラの身体を温めた。
けれど、
心は落ち着かない。
[言わなければ。
でないと、ずっとこのまま……
良くないよね、そんなの]
ユーリは、いつものように
品の良い所作で、ティーセットを片付けている。
サラは、遠慮がちに声をかけた。
『ユーリ、話があるの』
ユーリは、少し驚いたように振り返る。
それもそのはず。
ユーリが、サラを抱いたあの夜から
サラがユーリの名を呼んだ事は
なかったのだから。
「……久しぶりだね、
サラ様から俺に話しかけてくるなんて。
なに?」
ユーリはにっこり笑うと
小首を傾げ、サラをじっと見つめた。
サラに緊張が走る。
が。
意を決して
言葉を紡いだ。
『……私、
アランと
婚約することに…したの』