イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第29章 【禁断の果実】~第6章 瞑る~
[っ……]
サラは視線を上げ、
そっとアランを見遣った。
アランは、真剣な眼差しで、
サラと視線を絡ませる。
「……サラ」
名前を呼ぶ声は、甘くて、優しくて。
サラは胸の奥が暖かくなるのを感じる。
とくん、とくん、とくん…
[どうしよう、
こんなに優しい気持ちで想ってくれていたなんて…
私……]
アランは、片腕でサラの腰を抱いたまま
もう片方の手で
サラの顎に手を添え
そっと上向かせた。
『ぁ……』
サラが小さく声を零すと
アランは
ゆっくりと、顔を傾け
唇を寄せる。
[っ……キス…///]
アランの整った唇が
間近に迫る。
サラは思わず
ぎゅっと目を閉じた。
足元に眠る花々が
夜風に淡く揺れる音がして。
アランの甘い吐息が
サラの唇にかかった……。