イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第29章 【禁断の果実】~第6章 瞑る~
『え…?ア、アラン?』
突然の温もりに戸惑うサラ。
「俺のもんになれよ」
『え?』
アランの低い声が
身体を伝って振動する。
「見てらんねえ。
お前のそんな顔」
『何……言って…』
アランの腕に力が込もって、
強く抱きすくめられる。
「……サラ……」
『っ……アラン、あの……苦しいよ……』
アランは腕を弛めない。
「サラ……好きだ」
『……え?』
真摯な声音に射抜かれて
サラは動けなくなる。
「おまえが好きだ」
[……アランが私を……好き?]
『うそ……だって、そんな…』
戸惑うサラの耳に
甘さと切なさを孕んだ、低い声が落ちてくる。
「諦めようと思ってた。
でも、最近のお前見てたら…。
俺は、
お前にそんな顔させない。
サラ。
一生、傍で守ってやる。
だから…」
アランの腕に力が籠る。
「だから、俺のもんになって?
お願い」