イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第29章 【禁断の果実】~第6章 瞑る~
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『……ごちそうさま』
一日の公務を終え、
部屋に戻ったサラは
ユーリの淹れた紅茶を飲み終え、
ソファーから立ち上がった。
「もう寝るの?」
ユーリが尋ねる。
『………うん…』
「そっか。
今日も一日、お疲れ様でした」
ユーリが屈託のない笑顔で告げると
『お疲れ様でした。
おやすみなさい…』
サラは、
ユーリから視線を逸らしたまま
抑揚のない声で答え
ベッドへと向かった。
と、
ユーリが
サラの腕を、ぐいっと引っ張り
後ろから腕の中に閉じ込めた。
『っ………』
ユーリの香りがふわっとサラを包み
どきり、と胸が鳴る。
と同時に、サラの胸は苦しくなった。
ユーリは
サラの耳元に唇を寄せて
妖しく囁く。
「サラ様、
ちゃんとこっち見てよ…」
甘い吐息が、サラの首元を擽る。
[っ…]
あの夜………
ユーリがサラをめちゃくちゃにした夜以来、
ユーリは
事ある毎に
サラに触れるようになっていた。
面白がるように、戯れに。