イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第29章 【禁断の果実】~第6章 瞑る~
………………。
はっ……と、目を開けると
そこには
いつもの天上があった。
[夢………?]
ツキン……
[頭が……痛い…
身体もなんだか…]
サラは、額に手を当て、
重い身体を起こした。
すると、
はらり…
と、掛布が滑り落ちる。
[え……私、服……………?]
何故か、何も身に付けていないサラ。
不思議に思いながら、掛布を身体に巻き直し、
何気なく立ち上がって、
鏡を覗く。
すると
[っ……]
自身の胸元に、
花びらのような、紅い痕が見えた。
恐る恐る掛布を開くと
身体中
至るところに
同じ痕が
艶やかに刻まれている。
[そうだ………私……ユーリに……っ]
途端に、鮮烈に思い出される、
昨夜のユーリとの情事。
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「こういうこと、されたかったんでしょ?」
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「くすくす…
こんなに濡らして…
たまってたの?」
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「もう二度と、
俺を誘惑しないでね。
もししたら、
また同じ目に合わせるから」
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ユーリの言葉が木霊する。
サラは
身体を抱き締めるようにして崩れ落ちると
『夢じゃ………なかった…』
消え入るように囁き
大粒の涙を零して
『うぇ……ひっく…ひっく…ユーリ……
……ひっく…ひっく…ユーリ…ユーリ…』
独りぼっちの部屋で
ただただ
子供のように泣きじゃくった。
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