イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第28章 【禁断の果実】~第5章 戯れる~※R18
(……っ……サラ…様……)
サラの涙に
ユーリの腕が一瞬緩んだ。
と
サラは
力いっぱいユーリを押しのけて。
パン!
サラは
ユーリの
頬を叩いた。
『ばかに……しないでっ』
叩かれ顔を背けたままのユーリは
一瞬、驚きに目を見開いた。
が
すぐにサラの方に向き直る。
サラは荒い息のまま
潤んだ瞳で
まるで拒絶でもするように
ユーリを睨み付けていて。
ずきり…
ユーリの胸に
鷲掴みされたような痛みが走る。
(そう、それでいい。
俺を拒絶して、サラ様…
…でも…まだダメだ。
やるなら、完全に、完璧に……)
シュタイン国王側近として教え込まれた知識と経験が
ユーリを追い立てていく。
優秀で忠実な自分を
これほどまでに恨めしいと思った事はない。
「ひどいなぁ、サラ様
なにも、叩かなくてもいいのに」
ユーリは艶を帯びた瞳でサラを射抜きながら
ゆっくりとにじりよると
その、あどけない顔に似つかわしくない
不敵な笑みを浮かべた。