イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第28章 【禁断の果実】~第5章 戯れる~※R18
サラの胸がどきりと音を立てる。
ユーリの艶っぽい眼差しに
サラの視線が絡め取られて
魅られたように動けなくなると
ユーリはゆっくり首を傾けて、
サラの唇に
自らの唇をそっと押し当てた。
『ん……』
[うそ……]
突然
愛しい人から与えられた
柔らかな感触。
サラの頬が一気に赤く染まる。
[私っ…ユーリにキス…されてる…
どうしよう…嬉しい…]
黄昏に染まる風に煽られた木々のざわめきが、
一際大きく響く気がして。
幸福感が
サラの心を満たしていく。
ちゅっ……
水音を立てて唇を離すと
ユーリは
吐息がかかる位置で囁いた。
「からかいすぎだよ、サラ様。
だから、お仕置き。」
『え?』
ユーリの予想外の言葉に
サラは一瞬、首を傾げる。
「ホントは、アラン様が好きなくせに」
どこか冷たく言い放つユーリに
幸福感が一気に醒める。
ユーリが何を言っているのか分からず
上手く言葉が出てこないサラ。
『え…え?
ア、アラン?どうして…なにが?』
「最近、一緒にいる時間増えたよね」
『そ、それは……そうかもしれないけど…
でも、違うよ。
私は、ユーリが…』
「じゃあっ」
ユーリの口調が
少し強くなった。
「あの夜、
どうしてアラン様と
キスしてたの?」
『っ!!
………見て……たの?』
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それは、
アランが怪我をして倒れた夜
二人きりの部屋で起きた出来事。
ユーリが部屋へ戻り
アランを起こさないようにと
そっと扉を開けた瞬間に
目に飛び込んで来たのは
口付けを交わす
サラとアランの姿だった。
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