イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第27章 【禁断の果実】~第4章 揺れる~
『…わか…った』
戸惑いながらも
微かな声でサラが頷くと
アランは
安心したように
また眠りに落ちた。
サラは
乱れてしまった心を落ち着かせるように思う。
[さっきのは
意識が朦朧としていて
間違えて……だよね、アラン…]
なんとか心を落ち着けて
見やると
アランの寝息は
先ほどよりも
安らかなようで
サラはほんの少しだけ安心する。
そっとベッドから離れ
医者を呼びに行こうとしたその時
カチャリと扉の開く音がした。
お茶を淹れたユーリが
医者を連れて帰ってきたのだ。
「サラ様、お医者様をお連れしたよ」
『……うん、
ちょうど今、呼びに行こうと思っていたの……』
サラは
なんとなくユーリの顔が見れず
目をそっと逸らした。
「…どうかした?」
『ううん、なんでも…ない…』
どこか落ち着かないサラの様子を
ユーリはじっと見つめた。
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アランが少し目を覚ました事を伝えると
医者は診察をし
もう大丈夫だと言った。
『本当に良かった……』
サラは
ほっと胸を撫で下ろし
その瞬間
瞳から溢れた安堵が零れ落ちる。
「よかったね、サラ様」
ユーリは
そっとサラの背中をさすってやった。