イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第27章 【禁断の果実】~第4章 揺れる~
部屋に二人きりになると
更に不安がのしかかる。
このまま、アランが目覚めなかったら
同じ事がぐるぐると廻り
サラの意識を追詰めていった。
と
「…んっ…」
一際大きな呻きが聞こえて。
サラは弾かれたように立ち上がり
アランの顔を覗き込んだ。
『アランっ?アランっ?』
切羽詰まった声で呼びかける。
すると
アランの瞼が
ほんの僅かに持ち上がった。
「ん……」
『アラン!』
薄く開いた瞼から
赤い瞳がぼんやりと宙を彷徨う。
『アランっ、分かる?
怪我をして運ばれたの。
ここ、お城だよっ』
「………サラ…?
………お前…
……良かった…」
アランは玉のような汗を額に滲ませながらも
サラの無事を確認して少し安心したのか
口許を優しく緩ませた。
サラの頬を
一筋の涙が伝った。
「なに……泣いてんの…?」
アランの大きな手がゆっくりと重たげに持ち上がり
サラの頭を優しく撫でた。
『アラン、ごめんなさい、
私……』
「お前は…悪くねえだろ……?」
吐息交じりに低く囁くアラン。
と
また
「………っ……」
アランは小さく呻く。
『アランっ、待ってて、
今、お医者様を呼んでくるから…』
そう言った瞬間
サラの手首を
アランがぎゅっと掴んだ。