イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第27章 【禁断の果実】~第4章 揺れる~
『アラン、呼び止めてくれたのに、
それより先に私が飛び出してしまったから…
アランに…もしもの事があったらっ……っ』
サラは顔を手で覆い
今にも泣き崩れそうだ。
「サラ様……
大丈夫だよ。
アラン様は強い人だもの。
怪我をしてたのに、襲ってきた男を取り押さえちゃったし、
子供にも怪我はなかったんでしょ?」
『うん……』
「今は体力を消耗しすぎて眠ってるだけで
きっとすぐに目を覚ますよ。
だから、サラ様はもう休んで?」
『だけど…』
「気持ちは分かるけど、
無理をしてサラ様まで寝込んじゃったら…
ここ数日、立て続けに公務があって忙しかったのに」
『心配してくれてありがとう。
でも、私は大丈夫だから……』
そう言うと
サラはアランを見詰め
黙り込んでしまった。
(サラ様……)
沈黙と
アランの苦しそうな吐息が
部屋を支配する………。
見かねたユーリは
もう一度、声をかけた。
「お水、換えてくるね。
あと、お茶も淹れてくるから」
サラの手元にあった水桶を取ると
ユーリはアランを起こさないように
静かに扉から出て行った。