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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第26章 【禁断の果実】~第3章 踊る~


サラは
アランの瞳に見詰められながら、
逞しい腕に抱かれて
ステップを踏み続ける。


アランの堂々とした所作が
リードする逞しい腕が
自信に満ちたその瞳が
サラの強ばりを
少しずつ、和らげていく。


[アラン、ダンス上手……
踊りやすいように、さりげなくリードしてくれてる]


軽やかなステップの途中、
ふと、アランが口を開く。


「いいんじゃねえの?」


『えっ?』


「そうやって、力抜いて
お前らしくしてた方が」


『アラン…』


[アラン、私が緊張してると思って……?
そういえば前に
『ダンスは苦手だ』って話したことあったよね]


アランの気遣いが嬉しくて
サラは
ふっと微笑んだ。


『うん、ありがとう』


アランも口角を持ち上げると
二人は見つめ合いながら
音楽に身を委ねた。


二人の美しく初々しい様子に、
会場からため息が溢れる。


「本当に素敵なお二人ですわね」


「これからのウィスタリアが、楽しみだな」


会場に柔らかい空気が流れ
ウィスタリアとネープルスとの
明るい未来を予感させた。




その一部始終を
壁際で見守っている
一人の執事。
彼は
その整った顔に、
淡い微笑みを浮かべて
幸せそうに踊るサラを
ただひたすらに
ひたむきに
琥珀色の瞳で追っていた。



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