イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第26章 【禁断の果実】~第3章 踊る~
しばらくすると
国王の提案で、
ダンスを踊ることになったサラは、
アランに手を引かれ、
ホールの中央に向かう。
向かい合って
腰に大きな手が回ると
互いの身体が触れ合い
額にアランの吐息がかかった。
[…………っ]
サラは身体を強ばらせ
思わず顔を俯ける。
プリンセスになってから、
様々な男性と踊る機会があるというのに
サラはまだ、この距離感にだけは
どうしても慣れることが出来なかった。
その様子に気付いたアラン。
「なに?緊張してんの?」
『……ううん、大丈夫』
つまらないことで心配をかけたくないサラは、
そっと微笑む。
無理をしているのがありありと分かるサラに
アランは軽く息を吐いて。
「………顔、上げろよ」
『……っ…』
サラがおずおずと顔を上げると
間近でアランと視線が絡んだ。
[近いっ……やっぱり苦手……]
と、アランの唇に
にやりとした笑みが浮かぶ。
『え?』
「下ばっかり向いてんな。
そのまま、こっち見てろよ」
『あ……うん』
[アラン、気を使ってくれてるんだ…。
いつまでも苦手じゃだめだよね。
がんばらなくちゃ]
美しい音楽が流れ
アランは、
組んでいる手をきゅっと握る。
そのまま
サラをリードするように
優雅に足を踏み出した。