イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第25章 【禁断の果実】~第2章 覚める~
すると
「あっ、待って」
ユーリがすっと近づいてきて
突然、サラの髪に指を絡めた。
[…な……なに?]
柔らかく触れる指の感触に
そわりと背中が痺れて
思わず息を詰める。
『あ、あの……』
落ち着かない心地で尋ねると
ユーリは
いつものように、くすりと笑って。
「髪、跳ねてるよ?」
『あ……』
[やだ、恥ずかしいっ]
サラは
髪を直そうと
慌てて手を伸ばした。
が、
ユーリがその手を
きゅっと捕まえて。
[…っ……]
「だめ。
俺にやらせて?」
『あ、ありがとう。でも…』
「サラ様はプリンセスなんだから
人にやってもらう事にも
そろそろ慣れなくちゃ、ね?」
ユーリは、
首を傾げて、サラの顔を覗き込んだ。
『わ…かった……』
サラの答えに満足げに笑むと
ユーリは
長くて綺麗な指先で
髪を梳かし始めた。
[慣れなきゃいけないって分かってるけど
こんな風に触れられると
なんだか……]
丁寧に触れるユーリの指の感触に
意識が集中してしまう。
胸の音がとくとくと速まって……
静かな部屋に
窓の外の小鳥のさえずりと
自分の胸の音だけが響いている気がして
それが、ユーリに聞こえてしまいそうで。
サラの頬はピンク色に染まってしまった。
と
「はい、出来た」
ユーリの軽やかな声が聞こえて。
『えっ…あ…』
「?
どうしたの?」
ユーリは
きょとんと首を傾げる。
『う、ううん。
ありがとう』
サラは慌てて笑顔を作った。