イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第25章 【禁断の果実】~第2章 覚める~
ユーリが流れるように自然に
サラの前にカップを置いてくれる。
『ありがとう』
にっこり笑うと
サラは嬉しそうに口を付けた。
[…美味しい…
ほっとするな…]
紅茶を飲みながら
ワゴンに向かっているユーリの横顔を
ぼんやりと見詰める。
[ん…まだちょっと眠い。
ちゃんと眠れなかったのかな?
そういえば
夢を見たような気がするけど……
なんだっけ?
思い出せない…]
ふと、ユーリが
サラの視線に気づいて。
「どうしたのサラ様?
そんなにじっと見つめて」
『え?ううん、なんでもない』
[しまった、見過ぎちゃったかな?]
ユーリが気遣うように眉を寄せた。
「ぼーっとしてる。
最近疲れてるんじゃない?
昨日も遅かったもんね」
[ユーリ、優しい、
心配かけないようにしなきゃ]
『あ、本当になんでもないよ』
ユーリに向かって笑いかけると
『そろそろ朝食の時間だし、着替えるね。
紅茶、ごちそうさま』
カップを置いて立ち上がった。