イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第25章 【禁断の果実】~第2章 覚める~
「………様、………様」
ふわふわ…
淡い光を瞼に感じながら
サラは身じろぎする。
「……様……サラ様」
[だれ?だれかが呼んでる…]
「…サラ様」
[…この声……知ってる]
瞼をゆっくり上げると
間近に迫っていた琥珀色の瞳が
嬉しそうに細められた。
サラはびっくりして目を見開く。
『…っ………ユーリっ///』
「おはよう、サラ様」
ユーリはベッドの淵に腰を下ろし
吐息が触れそうな位置で
にっこりと笑っている。
「よく眠れた?」
[ち、近いっ///]
『う……うん…』
どぎまぎしながら答えると
「よかった」
そう言って
ユーリはベッドから離れて行った。
[び………びっくりした…
どうしてユーリって
いつも距離が近いんだろう///]
どきどきする胸に手を当てるサラを他所に
ユーリは次々にカーテンを開ける。
「今日もいい天気だよ、サラ様」
『本当だ』
カーテンに手をかけたまま振り返って
にっこりするユーリの瞳が
朝の光を集めて
宝石の様にきらりと輝く。
[あ……きれい…]
引き締まった体にピシリと執事服を纏い
窓から差し込む朝日に照らされたユーリの姿は
今日もサラの瞳に
とても凛々しく映る。
カーテンを開け終えると
ユーリはすぐにお茶の準備を始めた。
サラは、その姿に見惚れながら
身体を起こす。
と
涼やかな朝の空気に
マスカテルフレーバーが広がって
[…いい香り……]
サラは誘われるようにベッドから出て
窓際の椅子に腰を下ろした。