イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】
第21章 番外編 ~薔薇の部屋①~ ※R18
「ん……」
ユーリは混沌とした意識の中、
ゆっくり瞼を上げる。
薔薇柄のステンドグラスが嵌め込まれた天窓が見えた。
(さっきと同じ部屋?)
まだ意識がはっきりしない。
どうやらベッドに寝かされているらしい……。
一体何が起きたのか?
自分は…それより、
サラの身は無事なのか?
ユーリは警戒しながら
視線だけで辺りを見渡す。
そこは確かに、
さっきまでサラと居た部屋と同じ部屋だった。
どれくらい時間が経ったのだろうか、
窓の外は暗く、
蝋燭の炎が、ゆらゆらと部屋を照らしていた。
と、
「ユーリ?」
聞き覚えのある声が聞こえる。
自身の左側に視線を移すと
蝋燭の光に照らされて、ベッドの横に佇む、
サラの少し心配そうな顔があった。
「サラ…!!!
…無事!?」
「無事っていうか…
……ごめんね、びっくりさせちゃって」
サラが呟く。
「???」
状況が理解出来ないまま、
体を起こそうとしたその時、
ユーリは手首に違和感を感じた。
「え?」
なんと、ユーリの両手が、
真っ赤な紐で縛られて、
身体の前で纏められている。
「えっ!?」
思わず上半身を起こし、
目を丸くしてサラを見遣る…。
と、サラは申し訳なさそうに
とんでもない事を口にした。
「ジルが…手の自由は
奪っておいた方が良いからって…」
サラが何を言っているのか
さっぱり理解できないユーリ。
「サラ…これって…?」
「ごめんね、私が縛ったの」
(………………………)
「えええええええええええええ!?!?!?!?」