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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


しばらくして、船はシンドリア王国へ着いた。


「行きましょう、アギト殿」

『おう』


護衛って事になってるから俺は白龍の隣を歩く。


『…?』


この時俺は長い青髪を一本の三つ編みにした少年と目が合った。
気になったが今はシンドバッドへの挨拶を優先した。


「煌帝国第四皇子、練白龍です」

「陛下からは話を伺っている 歓迎するよ」

「義父の命でなくとも、貴殿にはお会いしたいと思っていました」

「それは光栄だ その話もゆっくり聞かせてもらおう アギトも久し振りだな!」

『数日前に会っただろ? 此処がシンドリアかー、後で酒でも飲みながら国の話を聞かせてくれよ』

「勿論だ ところで、白龍殿の後ろの貴人はもしや…?」


白龍の後ろ…あ、紅玉か。
何か笑顔だけどズムン…って怖いぞ。


「先日はどうも…またお会いできて嬉しいわ!」

「こちらこそ!」


アレ…またコロッと表情が変わったぞ?


「お久し振りですね、バルバッド以来だ!
 そういえば貴女とは煌帝国ではお会いする機会が一度もありませんでしたね
 また会えて本当に良かった!」


紅玉とシンドバッドは会った事があるんだな。
だから紅玉も付いて来たのか?


「会う機会が…一度もなかったですって…!?」


おいおい…どうしたんだ紅玉。
めっちゃ震えてるぞ。


そのまま紅玉は刀でシンドバッドに切り掛かった。


え、えぇえええ!?
ちょ、いつの間に刀取り出したんだ!?
振り下した刀はシンドバッドの髪を少し切った。



「シンドバッドめ!! 謝ったなら国の為に涙を飲んで耐え忍ぼうと思ってたのに…やっぱり許せないわ!!」


そう言って紅玉はヴィネアを武器化魔装した。


「私と決闘しなさいシンドバッド!!
 乙女の身を辱めた蛮行、万死に値する!!」


…は、辱めたぁああ!?


「はっ、辱めたぁ!?」

「ちょっとあんたぁぁぁぁ何したんですかぁぁ!!」

「なっ、何もしてないよ」

『どうしたんだ紅玉! 一体何があった!?』

「ぁ…おにぃ、さまぁ……うううう…っ」


シンドバッドの部下らしき奴がシンドバッドを問い詰めた様に、俺も紅玉に問うた。
だが紅玉は目に涙いっぱいためて俺に身を寄せて泣き出してしまった。
そんな状況で再び問うのは無理なのわかってるから慰める様に頭を撫でてやった。


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