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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


しばらくして、紅炎の言った通りシンドバッドとお供何人かが煌帝国の屋敷に来た。
うわー大人っぽくなったなー、シンドバッドも結構髪伸びてるし。
話かけてぇけど今は皇帝…紅炎の親父さんが話してるからな。
さーて、どうやって時間を潰そうか。


「アギト」

『あ、』


背後から話かけてきたのは紅炎の義理の母、玉艶さんだ。
実子は白瑛と白龍なだけあってなんとなく似ている気がする。
この若さで49とか有り得ねぇだろ!
でも何かこの人苦手なんだよな…何かを隠してる様な気がして。


「シンドバッド王と知り合いなのですか?」

『まぁ、そうですけど…何故知っているのでしょうか』

「話かけたそうにチラチラ見ているのを見かけたから言ってみただけですよ」


そんなに見てたのだろうか。
次から注意しよう。


「ところで、元の世界に帰る手掛かりは見つかりましたか?」

『全くです トラン語の書物を読んでみてもジンに聞いてもダメでした』


アル・サーメンの事は伏せておいた。
…なんとなくだ。


「無理はいけませんよ?」


そう言うと、玉艶さんは俺に身を寄せてきた。


「もし見つからずとも、此処にいればいいんですから」

『心遣いありがとうございます 俺は散歩したいので失礼しますね』


俺は玉艶さんを放そうとした。

…が、玉艶さんは俺に抱き付いてきた。

ちょ、コレ!
誰にも見られてねぇよな!?


「私は貴方を心配しているのです 貴方の力になりたいのです
 何か手助けが必用になればいつでも私を頼ってくださいね」

『あ、ありがとうございます…』


大人の女性にこう迫られるのってどうも苦手なんだよな…。
ガキの頃の女研究員を思い出すから。
俺は逃げる様にその場を離れた。




「…帰さないわ、黒き竜の子」


玉艶さんの最後の呟きは俺の耳に届かなかった。


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