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闇の滅竜魔導士と盗魔眼

第2章 もう一つの魔法の世界


迷宮を出た俺は太い木の枝に上って寝転んでいた。
迷宮攻略とはいえガキの記憶を思い出したのはいい気分じゃねぇな…。
あの話を知ってんのはマスターとラクサスとアイツ等だけだ。
ナツ達に話すかどうかは考えてねぇ…聞いて気分のいい話じゃねぇしな。


『(もう少し休んでから煌帝国に帰ろうっかな…ん?)』


滅竜魔導士だからこその鋭い聴覚が誰のものかわからない足音を拾った。

長い紫色の髪をしている男だ。
何か紅炎とは違う王様っぽい雰囲気だなー。
彼も迷宮攻略のつもりなのだろうか?
でも俺が攻略しちまったんだよな…謝りに行った方がいいか…?

俺は木から飛び降りた。


「うわっ!?」

『ようアンタ、迷宮攻略に来たのか?』

「あ、いや 俺はこの島を調べに来ただけだよ 君は?」

『何だ違ったのか 俺はついさっき此処にあった迷宮を攻略したモンさ
 だから先に攻略しちまってすまんなって謝ろうかと思ったんだよ』

「迷宮攻略者なのか! 俺もだよ 俺はシンドバッドだ」

『しんどばっど…どっかで聞いた事がある様な…無い様な…』


いつ聞いたんだっけ?
まぁいいや。


『俺はアギトだ 調べにって、シンドバッドは迷宮攻略者でありながら研究者なのか?』

「興味はあるが研究者程ではないさ ただちょっと気になることがあってな」

『どうしたんだ?』

「君は此処の迷宮を攻略したと言ったね しかしこの島にはもう一つ迷宮があるのではないかと噂されてるんだ」

『それって…珍しい事なのか?』

「迷宮とはおよそ14年程前から世界各地に出現した古代王朝の遺跡群なんだ
 迷宮があることはもう不思議に思う事ではなくなったのだが、こんなに近くに二つも迷宮が出現するのは珍しくてな」

『へー』


迷宮にはまだ謎が沢山あるって紅炎も言ってたな。
だが二つも迷宮があるとか…好都合じゃね?


『よし、もう一つも俺が攻略してやろうか』

「な、何無茶な事を言っているんだ!
 ついさっき他の迷宮を攻略したばかりなのだろう!?」

『いやあ精神的に苦痛だったけど体力的には全然消耗してないというか何もしてないというか…とにかく大丈夫だ』

「よくわからないが…大丈夫なんだな?」

『おう』


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